森悟 ロングインタヴュー
(前編)

9月23日より、団体として実に3年ぶりとなる主催公演『アザンシアコント vol.1』を行う老若男女未来学園。 本番まで約1ヶ月半と迫った某日、作・演出をつとめる森悟に、公演の内容や見どころについてインタヴューを行った。

(聞き手・加納健一/写真・山田碩人)

―――今回の公演はコントオムニバスということですが、コント公演をやろうと思ったきっかけはなんですか?

〈ブーーーーーン…(電子レンジの音)〉

「・・・」
―――なにを温めているんですか?
「冷凍うどんです。」
―――インタビューさせていただいてもよろしいでしょうか。
「はい。なんでも聞いてください。」
―――ありがとうございます。では改めまして、コント公演をやろうと思ったきっかけは…

〈チーーーン(電子レンジの音)〉

「あ、すいません。うどんできちゃいましたので…」
―――そうですか。
「食べながらでもいいですか?」
―――いえ、食べ終わるまで待っていますので、ごゆっくりどうぞ。
「ごめんなさいね、変な時間にお昼で。」

時刻は午後二時過ぎ、一日のなかで最も気温の高い時間だ。

〜〜30分後〜〜

〈うどんを食べ終え、皿まで洗った森悟。〉

「お待たせしました。」
―――ずいぶんゆっくりと食べられていましたね。
「ごゆっくりどうぞって言われたのでそうしたんですが。」
―――すみません。
「つーか、キレていいすか?(笑)いや、冗談ですけどね。」
―――インタビュー始めてもよろしいですか?
「はい、よろしくおねがいします。」
―――では改めてお聞きしますが、コントをやろうと思ったきっかけはなんですか?
「あのー、質問って何問くらいありますか?」
―――用意してるのは10問ほどですね。
「10問?そんなので公演の全貌を明らかにできるの?」
―――全貌を明らかにしようとはしてないです。
「ああ、そうですか。それで、なんの話でしたっけ。TKOの今後について?」
―――コントをやろうとおもったきっかけについてですね。
「…自分、コント好きっすから。」
―――そうですか。主にどんなコントを?
「どんな…と言われると難しいですね。多岐にわたる、としか。」
―――たとえば、好きなコントをひとつ挙げるとすればなんですか?
「多岐にわたるとしかお答えできないですね。すみませんけど。」

〈好きなコントは多岐にわたる、と語る森悟。〉

―――今回の公演でなにか達成しようとしていることはありますか?
「世の中をよくしたいなと思っています。」
―――とてもいいことですね。
「ありがとうございます。」
―――具体的に、公演を通してどのように世の中をよくしていこうと思っていますか?
「堅揚げポテトの価格を下げたいですね。あれってコンビニで買うと思ってたより高くてびっくりするので。」
―――堅揚げポテトですか。それは達成できるんでしょうか?
「無理ですね、いっさい関係ないので。」
―――そうですよね。
「コンビニの堅揚げポテト、いくらするか知ってますか?ちょっと見に行きましょう。」

〈森悟はそう言うと、家を飛び出していってしまった。〉

―――どちらへ向かっているんですか?
「セブイレ。」
―――セブンイレブン、コンビニですね。
「セブンと略す人もいますが、僕はセブイレ。人それぞれですね。」
―――インタビュー続けさせていただいてもよろしいですか?
「もちろんです。」
―――今回の出演者のみなさんに対しては、どのような印象をお持ちですか?
「とてもおもしろい人たちですね。」
―――どういったところがおもしろいと感じるんでしょうか?
「それぞれの毎日を、みんな何かしら工夫しながら豊かに暮らそうとしてますよね。そういう意味で、人間っておもしろいなって思います。」
―――そういう意味でしたか…。今回の出演者に限った話でいうと、いかがですか?
「今回の出演者に限らず、人類全体を愛していきたいですね。」
―――話の規模が大きくなりますね。
「とはいえ、現実はそううまくはいきませんけどね。他者と完全にわかり合うことは不可能ですから。」
―――公演の話をしましょう。
「今回のコントにはいろいろな人がでてきますから、自身が他者を見るときの視点について、客観的に考えてもらうきっかけになるといいですね。」
―――公演の話をしてたんですね。

〈そうこうしているうちに、セブンイレブンに到着。〉

「ではここですこし待っていてください。」

インタビューは《後編》へ続く。

『アザンシアコント vol.1』
老若男女未来学園から皆様へ、感謝を伝えるためのコント集。

【日程】
9月23日(金・祝)〜25日(日)
23日 18:00
24日 11:00/15:00/19:00
25日 13:00/17:00

【会場】
シアターココ
地下鉄東山線池下駅より徒歩1分

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